井上瑠菜よりメッセージ

このたび、準劇団員の宮部大駿と川合凜が退団する運びとなりました。

大駿はアツい奴です。人当たりが良くて性根が曲がっている人ってたくさんいると思うんですけど、全く真逆だなと思います。私自身彼のことを長らく誤解していて、滅茶苦茶尖ってるやつだと思ってたんですけど(笑)。人当たりが悪いってことではないです。人見知りで、心根が超真っ直ぐで、あたたかい人。不器用さもあるんだろうなと思いつつ、ふとした時に器用にふるまうので、なかなか不思議な魅力の持ち主です。

ただ、実際今でも尖っているとは思います。そのうえで、尖り方がカッコいいなって。魂削って演劇やってる感じが、ああ私にはないし、出来ないなって感じるんです。演劇に熱量を傾けすぎてて、大丈夫かなと思いつつ。笑　若さというより、宮部大駿という人間だからこその信念なのだと思います。あまりにも潔いので少し心配ではありますが……一人になりすぎるなよという気持ちです。

一つの団体で長く演劇をやると言うよりは、自由に自分の演劇を極めたいという意思を持っていること、強く感じていたので、いつかはこんな時が来るだろうな……と思っていたものの、やっぱり淋しいですね。

でも演劇を続けるので、所属してるしてない関係なく、また一緒に作品を作りたいなと思います。

またどこかで！　という気持ちです。お互いバチバチになって一緒に作品を作る未来が、今からとても楽しみです。

凜は貪欲な子です。遠慮と思い切りのバランスをうまく取っているし、自分の中の落としどころをきちんと調整できてるんだろうなと思っています。いつも何も不満を言わないので、「凜遠慮してるのかな、大丈夫かな」と思うこともありますし、割と何でも引き受けて忙殺されているところを目にしますが。本当にやりたくない時はNOと言える子。と思っています。

逆に言えば、何でもやってみることが出来る、何でもやったら身になると思えること、とても尊いなと思います。そのうえでちゃんと自分を持っている。普段はふにゃふにゃしてるけど、実はカッコいい子なんです。もっと大人になりたいとか、かっこよくなりたいってよく言ってるけど、固定観念としてのカッコよさとかに縛られずに、凜だけのかっこよさを見つけてほしいな。

本人は何も決めていないと言ってますが、本人の知らない心の深いところで色々決まってるんだろうな、と思います。何となく。たくましい末っ子でした。淋しいです。

でも誰に言う必要もないぞ、凜はそのままで良いんだぞと思いつつ。凜ともまたどこかで、という気持ちです。凜とは「こんなところで？！」みたいな偶然の再会をしたいですね！　何か大きな目標を遂げる公演の小屋とかにしれっと居たら最高です。ただの妄想ですけど、(笑)

自分の中でも退団というものの捉え方や、演劇そのものの捉え方が変わる時期でもありました。二人を送り出すにあたって、私ももっとカッコよくなりたいな、と改めて思います。

二人や、今まで退団した人々が誇れる露と枕と井上瑠菜になれるよう、また日々精進していきたいと思います。

諸々動き出し始めました。皆さんにもお知らせが出来るようになったらご報告させていただきますので、少々お待ちいただけると嬉しいです。

今後とも、宮部大駿と川合凜、露と枕をよろしくお願いいたします。

令和3年4月1日

露と枕　代表　井上瑠菜

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